2013/05/02

繋ぐ

昔書いたバク獏SSを載せてみます。
原作準拠のシリアスめ。
興味のある方は続きから。




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いつの間にか、知らない場所に立っている。
いつの間にか、知らない事実が作られている。
皆がボクを見ている。
ボクはおどけた顔をする。


だが、最近はどうも様子が違う。
ボクの意識は常に存在する。
ボクの記憶は常に正常に働いている。
ただ、みんなはボクを見る。心配そうな顔をして。


心の中の自分の部屋で。
1人、黙々と自作した人形たちを眺めていく。
何故ここにいるのかは考えない。
それが当たり前のように。

ボクの記憶は繋がっている。
血は正常に脈打っている。




心の部屋の片隅に幽閉した宿主を見て、バクラは眼を細くする。
「あんまり色々やられると、こちらも面倒なんでね」
事が終わるまで、お前にはそこに居て貰うぜ。
なあ、オレ様の可愛いお人形さんよ・・・。


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2007年に好きな小説サイトさんに触発されて、初めて書いた処女作。
書きなれないキャラを動かすのはかなり難しかったです。
再掲載にあたり、少し修正しました(一人称等/僕→ボク、など)